みなさんはお米をどこで買っていますか?
スーパー、コンビニ、近所のお米屋さん?なかには実家から送られてくるという幸せな方もいるでしょう。
僕はお米を持って帰るのが重いのでインターネットです。
いつも山形県の森谷さん(有限会社ファーム・イン・ビレッジ)という農家から購入しています。
収穫したての新米などもあり、そこらで売っているお米と比べ格段に美味しいご飯をいただいています。
なぜこんな話かというと、先日、NHKで「『食』日本の、これから」という番組があり、そこに森谷さんが出演すると聞いたので見てみました。
日本の農業の現状や輸入米などについてのことを、農家の方、消費者の方、輸入業者の方や食の研究者の方々が議論する番組です。
そこで大きなテーマとなったのは「**日本の食料自給率は38%**」ということ。
特に食に対して興味のない人にはあまり実感のない数値かもしれませんが、これは**かなり低い**です。
僕はこの数字を前から知ってはいたんですが、改めて他の先進国と比べてみると凄く不安になります。
要するに一人暮らししてるとして、6割もの生活費を仕送りしてもらっているようなもんです。
もし親が病気になったり、亡くなったらどうしますか?そうじゃなくても、親とケンカしたりして仕送りを止められたらどうしますか?
食っていけないですよね。
一人暮らしならすぐに働けばいいのですが、この問題は国家どうしの問題なので余計難しい。
このNHKの番組ではとくに「お米」がテーマでした。
論点は、国産のお米が、今や輸入米に押されて消費されなくなってきているという点です。
僕たちが日常口にしているお米には、コシヒカリやあきたこまちなどいろんな品種がありますが、じつは国産ではないことが多くなりました。
日本で生まれた品種ではありますが、それが海を渡って海外で作られているということです。
工業で言えば「技術流出」ですね。
最近では店頭価格で300円/kg未満というビックリ価格のお米もよく見ます。
海外のお米が一概に不味いわけではなく、美味しいものもあります。
このNHKの番組で、スタジオの方々に国産米・アメリカ米・中国米の3種を食べ比べしてもらったところ、国産米を当てた方はあまり多いとは言えませんでした。
稲作農家を含め食に関する職業の方でもそうなので、僕たち一般人には違いなどわかるはずもないでしょう。
もちろん米を輸入することが悪いと言っているわけじゃなくて、自給率が低いことが危険だと言いたいんです。
なぜ危険なのかというと、一人暮らしの部分で書いたように、突然輸入が止まったらどうしようもないからです。
輸入が止まる原因としては、災害でお米が採れなくなったり、仲が悪くなって国交がなくなったり、戦争が起きたり、様々です。
輸入米の大部分は中国とアメリカですが、日本はこの2国と大変仲が良いとは言いがたいです。
なぜ仲が良いとは言えないのかはいろいろとあるのでまた別の機会にすることにして、いまの世の中で国交断絶や突然の戦争がないとは言いきれません。
日本では古くから稲作がなされ、様々な技術を駆使して美味しい品種を生み出してきました。
どうして日本で稲作が盛んになったかというと、**お米に適した国土**だからです。
日本は山国で、雨がよく降ります。雨が降ると緑の豊富な山に貯水され、ミネラルなどを多く含む水が山から流れ出します。
これにより水田の水は常に新鮮で豊富な栄養を含む水が更新され、いつまでも良い稲が育ちます。
こういった「常に更新される」環境でないと、一度水田として耕作された土地は栄養不足となり、長い間休閑させたり農薬を大量に使わなければいけなくなるため、恒常的に「**栄養不足スパイラル**」となり水田には適していない土地となります。
緑が生い茂るには山という土地が必要で、雨を貯水するには木の根や体積した土が必要で、水が流れるには川が必要。
稲作にはこういった水田以外の環境も非常に大切になるので、田んぼを減らさなければ**山を切り崩して道路や街をつくっても良いという考えは成り立ちません**。
そうは言っても日本にはまだまだ稲作のできる土地はたくさんあります。
それなのに自給率がこんなに低いのは、他ならぬ輸入米の波に流されてしまっているからです。
最近になってようやく有機農業が叫ばれはじめましたが、「普通に」お米を作っていれば有機栽培になるはずです。
輸入に押されて短期間に大量に、良質なものを収穫しようとすると、当然有機農法では不可能です。
しかし、**多くの稲作農家はいまや火の車**で、有機栽培のように手間ヒマかけていられず、しかも国や農協のシステムが大規模化すればするほど儲からない構造になっています。
前述のNHKの番組で、あるコメ業者の方がこう言っていました。
**「農家の方も、いままでの農業のやりかたではなく、もっと新しい農業を工夫すればいい」**
また稲作でない畑作農家の人は**「コメをやめて補助金が受けられる大豆など畑をやればいい。」**と言っていました。
本当にそう思って言っているんでしょうか。
リストラされたサラリーマンに「いまからファッションデザイナーになって儲ければいい」と言っているような滅茶苦茶な論理です。
**日本の稲作は先人が5000年も前から試行錯誤し完成してきた**方法です。
それを「新しくしろ」「やめろ」などと誰が言えるでしょうか。
少なくともお米に関する職業の人が言ってはいけない気がします。
僕は、このまま自給率が下がって起こる最も恐ろしい事態は、日本人が「**『日本のお米は世界一美味しい』というプライドを持たなくなる**」ことだと思います。
いまのところ、日本のお米はとても美味しいし、日本の田んぼの風景は他の国にはない、とても美しい景観だと、外国の方に自慢できます。
それは、農家が日々「手入れ」をして丁寧に作ってくれているからにほかなりません。
30代前半の僕の時代までは、まだ「ごはんを食べる時は、お百姓さんに感謝して『いただきます』と言いなさい」と親に教えられました。
いまの小さい子はどうかわかりませんが、もしそういう感覚が乏しくなっているとしたらとても悲しいです。
はじめに書いたように、僕はインターネットでお米を買っています。
そうすれば、余計な仲買人を通さずに、直接農家から購入でき、良いものを安価で手に入れられます。
そういった方法が農家に恩恵をもたらすかどうかはまだわかりませんが、日本の誇るべき農家が危機的な状況であることを多くの人がしっかり認識してもらえたら、もっと良い流れができるんじゃないでしょうか。