ポータルサイト制作、運営に気をつけたい著作権の話

 



2018/8/16

サイト制作にはデザインや写真、文章など、デザイナーやカメラマン、ライターの創作物が少なからず含まれます。そして、そこには当然著作権が発生します。
ネット上では、たくさんのものを無料で見たり読んだりすることができ、そしてその気になれば簡単な操作でコピーしてくることもできるので、明確に意識していなくても他人の著作権を侵害してしまうケースもあるので注意をしましょう。

うっかり著作権を侵害してしまうよくあるケース

・社内プレゼンで使ったカンプデータを、社外に公開する資料にそのまま使ってしまった
・広報用のSNSで他人の著作物を写してアップしてしまった
・イベントの様子を動画に撮ってサイトに掲載したら許可されていないBGMが入っていた
・出処のわからない画像をサイトのデザインに使ってしまった
など、明確に侵害しようと思っていなくてもうっかり他者の著作権を侵害してしまうケースは多々あります。
故意でない場合は、警告されて掲載を取り下げれば済む場合もありますが、コンテンツ自体を販売しているサービスの著作権を侵害してしまった場合は、正規の料金を請求され裁判になる可能性もあるので、十分な注意が必要になります。

配布されている素材にも注意が必要

画像や音声を無料で配布しているサービスもたくさんありますが、そういったサービスを利用する場合も注意が必要です。
特に無料配布サイトなどでも個人利用のみで商用利用を禁止しているところもありますので、商売で利用する場合は本当に無料で使えるかどうかを念入りにチェックする必要があります。
度々勘違いされやすい言葉に、「ロイヤリティフリー」があります。フリーとついているので無料で使えると思われる方もいますが、これは「認められた範囲であれば追加費用無しで利用できるコンテンツ」という意味になります。
つまりロイヤリティフリーという言葉には有料無料という区分けはないので、購入が必要なコンテンツかどうか確認する必要があります。
また無料で配布されているものでも著作権を放棄しているものはほとんどありません。
近年は無料配布されているコンテンツにはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスと呼ばれる著作権のルールを提示していることが増えてきました。
いくつか種類があり慣れないうちは分かりづらいですが、ルールを守れば自由に使えるので、配布されているコンテンツのライセンスを確認することも重要です。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
最後に注意しなければいけない点として、CGM系の無料配布サービスには、ときどき不正に著作物が配布されているケースも存在します。
ダウンロード数に応じて対価が発生するものや、単に無知であったり承認欲求のためなど理由は様々です。
(本当の著作者)

(著作権を侵害した登録者)

(無料配布サイト)

(利用者)
基本的には、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示をされているコンテンツを、ルールに従い使う分には非はないのですが、「本当の著作者」が「最終的な利用者」を見つけて、著作権侵害を訴えてくることもあります。
その際は、どのサイトで配布されていたのを利用したかを伝えて非がないことを説明する必要があるので、規約やライセンスを慎重に確認しておく必要があるでしょう。

近年の著作権侵害

ネットの普及する以前は、仮に写真や文章をパクって利用しても、それを出版や制品として世間に公開しない限りは明るみに出ることはありませんでした。
しかしネットの普及した現代では、データのコピーが手軽になり、さらに個人法人を問わず、気軽に情報発信をすることができるようになり、うっかり著作権侵害をしてしまうリスクは高まっています。
昔の感覚で手近な資料で社内資料などを作り、それを何かの折に公の場に出してしまうとトラブルになることもあるので重々注意が必要になります。