ポータルサイト制作の基礎知識

 



2021/3/24

2017/11/10 公開した記事に、2021/03/25 加筆修正しました)

ポータルサイトを作り始める前に

ポータルサイトを企画して、これからどこかのWeb制作会社に頼もうと思っているのであれば、ポータルサイトの制作についてある程度の基礎知識があるといいでしょう。

ポータルサイトに必要なもの

  • ポータルサイトのデータ一式
  • サーバー
    • Webサーバー
    • データベース
    • SSL
    • メールサーバー など
  • ドメイン

ポータルサイトのデータ一式

まずはポータルサイトのデータについて。

普段何気なく閲覧しているポータルサイトも、デザインした画像とHTML(マークアップ)、CSS(スタイルシート)、システムを動かすためのプログラムの集合です。なので、ポータルサイト制作といえば、この「画像、HTML、CSS、プログラム」を作っていく作業となります。

近年はポータルサイトに必要な機能やセキュリティも複雑化しており、構築をサポートするためのフレームワークなども数多く登場しており、弊社では主にLaravelというフレームワークを利用しています。

単純なHTML、CSS、画像だけのWebサイトとは違い、一般的なポータルサイトの規模になると構成するファイル数が大量になり、複数人で同時に作業をすることも多いので、FTPでのファイルアップロードはあまり使われず、Gitというバージョン管理の仕組みを使ってサーバー上と同期しながら開発をするのが主流です。

サーバー

ポータルサイトを作って公開するためには、サーバー環境が必要になります。

サーバーの種類も幾つかあります。ホスティングと呼ばれる所謂レンタルサーバー、ハウジングと呼ばれる専用サーバー、VPSやクラウドなど。それぞれ特徴があり、運用するポータルサイトによって適切なものは違います。単純なサーバーにかかる費用も違いますが、サーバー運用・設定に必要な知識も変わってくるので、よくわからない場合は制作会社に確認してからサーバー契約をすると良いでしょう。

先にサーバーを用意してあっても、ポータルサイトの仕様や想定されるアクセス数などの規模により必要なサーバーのスペックが違い、場合によっては使えないこともあるので注意が必要です。

ポータルサイト制作の流れでは、企画や設計、デザイン制作の時点ではまだサーバーは必要ありませんが、プログラムの構築を始める際にはドメインと合わせて必要になります。

ポータルサイトに情報を記録していくために必要なデータベースや、通信を暗号化するSSL(+SSL証明書)、メールを送信する機能なども、サーバーに組み込まれるものとなります。

ドメイン

制作したポータルサイトを公開するためには、サーバーともう一つ、ドメインが必要になります。ドメインはポータルサイトのURLになる重要な要素です。(例:https://example.com)

ポータルサイト制作は、作成したHTML、CSSやプログラムなどのデータ一式をサーバーにアップロードして、サーバー上のデータベースと接続したり、メールの設定などをして、ドメインを割り当てることで、公開までの一通りの流れとなります。

必要になる費用

  • イニシャルコスト(初期費用)
    • サーバー
    • ポータルサイト制作費
  • ランニングコスト(月額/年額費用)
    • サーバー
    • ドメイン
    • メンテナンス保守
    • コンテンツの制作費
    • 人件費

ポータルサイトを作り、運営していくには当然お金がかかります。
求める内容によって金額は全然違いますが、上記のような項目で費用が発生するので予め確認しておきましょう。

イニシャルコスト(初期費用)

サーバー契約時の初期費用とポータルサイトの制作費がイニシャルコストにあたります。

サーバー

サーバーに関しては、ゲームや有名なチケット販売などアクセスが殺到するようなサービスでもない限り、最初は低価格なレンタルサーバーで十分な場合も多いです。一般的なレンタルサーバーの場合、初期費用も数千~1万円前後で可能です。

特殊な機能が必要なポータルサイトの場合は、サーバーにその機能が含まれているかも確認する必要があります。高額なものは、初期費用で10万円を越すものもあり、専用サーバーなどでサーバー構築されていないまっさらな状態のものであれば、手動でサーバー構築する必要がありそれなりの費用がかかったりもします。

制作費

ポータルサイトの制作費は、どのようなサイトにするかによってピンキリなので、構想がある場合はWeb制作会社に見積もりをしてもらうのがいいと思います。
どんなに簡素なものでもポータルサイトとしては30~50万円以上、さらに会員機能や口コミ・ランキングなどがあると100万円以上はするでしょう。
Yahoo!や食べログなどの大手ポータルサイトと遜色ない機能を盛り込んだサイトにしようとすると、数千万円を超える規模になってしまうと思いますが、ポータルサイト立ち上げ時にそこまで初期費用をかけるのは現実的ではなさそうです。

ランニングコスト(維持費用)

ランニングコストは、サーバーとドメイン費用は毎月(ドメインは毎年)必ず固定でかかります。
メンテナンス保守は、制作会社によっても違いますが、毎月固定で保守費用が必要な場合と、作業が発生した場合に必要な場合があります。
納品してもらった後はメンテナンスは必要ないと思うかもしれませんが、外部(GoogleやTwitterのAPI、各種環境のバージョンアップなど)の仕様が変わったりして、突然サイトが動かなくなることも多いので、その後もサポートは必要になります。
その他、サイトへのアクセス数を増やしたり、マネタイズするためのコンテンツを増やす場合にも、当然制作費がかかります。業者に頼まない場合でも、人件費としてコストは発生するので、予め心構えとして押さえておきましょう。

何よりも継続した運営が大事

ポータルサイトは公開してからがスタートです。そしてお金をかけて作ったからといって、誰もが必ず成功するものでもありません。
殆どのサイトは最初はアクセス数も少なく、登録してくれるユーザー数も増えず、全くお金にならないでしょう。
しかし、そこで運営を止めてしまうことなく、コツコツとコンテンツの追加やユーザーの動向の検証を継続して、初めて効果のでるポータルサイトに成長するものです。
もちろん最初のビジネスモデルが非常に大事ですが、それと同じくらい継続して行くことが大事なので、安易にポータルサイトを作る前に、ビジネスモデル・経済面・運営体制などを総合して長く継続して続けていけるかを一度じっくり考えてみましょう。

ポータルサイト制作に必要な基礎知識とは

  • ポータルサイトを公開するまでに何が必要か
  • 制作と運営にどの程度の費用がかかるか
  • 自分(運営組織)が長く継続できるか

最後は心構えのような感じですが、ポータルサイトを作り始める前に必要な基礎知識として、押さえておきましょう。