ポータルサイトを立ち上げたらやっておくべきこと

 



2018/6/08

ポータルサイトの立ち上げに際して行っておくべきことをまとめました。

サイトの公開前後になると、動作確認などで他のことがおろそかになりがちです。
やっておくべきことを忘れずに見直してみましょう。

ドメイン設定

ドメインが確実に本番サイトに宛たっているか確認します。
また、不要なサブドメインが公開されていないか確認します。

同時に、SSL(https)の設定も行います。
近年、セキュリティ面はもちろん、SEOの観点からもSSL化は必須とし、必ず適用します。
人気のSSLサービスである Let’s Encrypt を使用すれば無料でSSL化できます。
本来は専用サーバーやクラウドサーバー等で使用しますが、最近はレンタルサーバーでも対応しているところも出てきています。

サイト公開前に、ドメイン、サーバー、SSLそれぞれの有効期限を確認しておき、期限前に対応できるようリマインダーを記録しておくと良いと思います。

メールの着信確認

サイト内に問い合わせフォームなどを設置している場合、本番環境で実際に送信し、メールが届くことを確認します。
システム側の送信方法とサーバーの仕様・設定によっては送信されないこともあるので、必ず確認しましょう。

また、メール受信者や、メールの送信履歴の記録、問い合わせに対する返答の体制についても確認しておくとなお良いと思います。

注意点として、送信されていても相手の迷惑メールフォルダに入ってしまうことがあります。
原因はいろいろと考えられますが、ひとつ有力なものとしては、ドメインの管理(DNSの設定)で「SPFレコード」が設定されていない、というものがあります。
SPFレコードとはメールの送信元を検査する仕組みで、これが設定されていれば迷惑メールと判断されづらくなります。(完全ではない場合もあります)
以下もご参考ください。

インターネット用語1分解説~SPFとは~ – JPNIC

アクセス解析の設置

本番サーバーに公開前に、アクセス解析の設定を忘れずに行います。
Google Analytics(グーグル アナリティクス)や Google Tag Manager(グーグル タグマネージャ) を使用する場合は、タグの記述をしておきます。
また、本番公開後に計測できているか確認も必要です。

Google Analytics の場合、開発時に オプトアウトアドオン を設定していたり、Google Analytics 設定画面の「フィルタ」によってアクセス制限をしていた、といったイージーミスもありますので注意しましょう。

Google Analytics については「データの保持期間」が設定できます。
デフォルトでは「26ヶ月間」となっているため、変更したい場合は設定が必要です。

データの保持 – アナリティクス ヘルプ

ウェブマスターツール系の設定

Google Search Console(グーグル サーチコンソール) はサイトのページがどのようにGoogleにインデックスされているかを確認できます。
Search Console の管理画面でサイトのURLを追加し、認識させます。
Google Analytics を使用していれば、連携することでサイトの存在確認が楽になります。

Bing が提供する Bing Webmaster Tool も同様の機能があります。

検索エンジンサイトマップの作成

Google や Bing などの検索エンジンにサイト内のページを効率的にインデックスしてもらうため、サイト内のURLを列挙した、検索エンジンのロボット向けのページを用意します。

XML形式のものが主流ですが、単純なテキストファイルでも構いません。
また、もし WordPress を使用している場合は、特に設定しない限り RSSフィード が自動出力されます。
このRSSでも検索エンジンサイトマップとして機能します。

検索エンジンサイトマップが用意できたら、そのURLを Google Search Console や Bing Webmaster Tools で登録することで、効率よく検索エンジンロボットが巡回してくれます。

注意点として、巡回してほしくないページ(例えば管理画面や未公開ページなど)を含めないようにします。
特に WordPress に関しては自動出力ですので、意図しないページが含まれることがあります。

robots.txt の確認

robots.txt とは、検索エンジンロボットの巡回を制御できるファイルです。
サイトのトップに「robots.txt」という名前のファイルを置くだけで、あとは各検索エンジンのロボットが勝手に読み込んでくれます。

このファイルで主に制御できるのは「巡回されたくないURL」「巡回頻度」「検索エンジンサイトマップのURL」です。
(「巡回されたいURL」といった指定もできますが、検索エンジンサイトマップがあればあまり意味はありません)

「巡回されたくないURL」は、例えば管理画面のURLや、検索エンジンでヒットさせたくない画像やPDFファイル等のURLなどを指定できます。

「巡回頻度」は、検索エンジンロボットの巡回が多くてサーバーに負荷がかかる場合などに使用します。

「検索エンジンサイトマップのURL」では、前述したウェブマスターツール系のようなものがない検索エンジンでもサイトマップの存在を知らせることができます。

例として、Twitter の robots.txt を見てみると、いろいろと書かれていることがわかります。
https://twitter.com/robots.txt
このように、誰でも見られるものでもあるため、プライベートなURLなどは記述しないようにします。

開発時、テストサイトなどでにロボットが巡回しないように「すべて拒否」のような設定をすることがありますが、これがそのまま本番に適用されないように注意します。
Google Search Console の「Fetch as Google」という機能でトップページの検証をすることで、このようなミスがないか確認できます。

バックアップ

データベース、サイトのファイル群など、定期的にバックアップしておける仕組みを用意しておきます。
サーバーの障害などでデータが消える可能性も考えられますので、サイトの公開サーバーとは別のサーバーにバックアップします。
このとき、ただバックアップするだけでなく、元に戻せる仕組み(リストア)も検討しておくと良いでしょう。

SNS

SNSで情報を発信する予定がある場合、運用体制を確認します。
サイトを公開した旨は必ず配信します。

APIを使ってソーシャルログインなどを実装している場合、本番アカウントになっていなかったり、設定がサンドボックスのままだったりするミスが考えられるため確認します。

また、Open Graph DebuggerTwitter Card Validator などで、SNSサイト上の見た目を確認しておきます。

サイトスピード

本番公開後、今後の運用での比較のため、以下でサイトの表示スピードを測っておきます。
PageSpeed Insights


以上、サイト公開前後で行っておくべきことをまとめました。
サイトによっては他にも考慮するものがあると思いますので、改めて検討してみてはいかがでしょうか。